もうすぐ節分、豆まきには落花生!

2月3日は節分。「鬼は外、福は内!」のかけ声でおこなう豆まきは、一年の災厄を逃れる効果があるといわれています。 皆さんのご家庭では、豆まきには何をまいていますか?
北海道、東北、関東、中部、近畿、九州の一部では、節分の豆まきには、から付きなどの落花生を使っています。
(一財)全国落花生協会が委託して実施した、インターネットによるアンケートでも、節分に豆まきを予定している方のうち24%の方が、から付きなどの落花生を使いたいと答えてくださいました。 今年の節分には、ぜひ、から付きなどの落花生の豆まきで災厄を吹き飛ばし、豆まきの後は、おいしく召し上がってください。
なお、この時期は小さなお子さんが、豆類をのどに詰まらせる事故 (誤えん)が多発する傾向があります。3歳までは食べさせてはいけません。豆まきを行なう際は、保護者付き添いのもと、ご注意をお願い申し上げます。



2013年から2014年にかけて実施した
「落花生の思い出・エピソード」募集より、
節分に関するエッセイ作品をご紹介します。


北海道の節分 三木聖子(滋賀県在住)

北海道の節分は落花生を撒く。丸くてつややかな大豆を撒く風習が、全国的に主であることは、大学進学のために本州で暮らして初めて知った。

毎年、とてつもなく寒くなる夜、家族の豆撒きが始まる。父は落花生のおまけの鬼の面をかけ、家の中から外へと、私と弟から逃げ回る。母は玄関でニコニコしながら見守っている。寒さのため、数分で外から引き上げた後は、ストーブの焚かれた居間に新聞紙を広げ、家族各々、落花生を割り始める。爪を殻に押し込み割る時の、ザクッと鈍い音。まるで堅い木の中から宝石を取り出すような感覚。みんな年の数以上に夢中で頬張った。翌日は雪の上に撒かれた落花生を探し出し、登下校時に食べることが、また楽しみだった。  

故郷を離れ十年以上になる。故郷の思い出が薄れないよう、お腹に宿った新しい命と本州育ちの夫に、落花生の節分を教えたいと思う。



みんなで拾った落花生 よっちゃん(北海道在住)

「よっちゃんの家の前に落花生が沢山落ちていたよ?!」 朝学校へ行くと、クラスのみんなが私に言ってきた。

北海道から神奈川県に引っ越してきて、初めて迎える節分の日。当時私は小学2年生。言葉も持ち物もみんなと違う自分が嫌いだった。

「だって節分だから豆まきするっしょ。」 私が言うと、「落花生なんてまかないよ。」みんなが大笑いした。

どうやらこっちのお友達は大豆をまくらしい。知らなかった。また私だけみんなと違う。恥ずかしくなって涙があふれてきたその時、「でも、落花生だったら殻がついているから拾って食べられるんじゃない?」 誰かがそう言った。 その日の帰り道、私の家の前まで友達数人がついてきた。「うわ~ピーナッツ!おいしいじゃん!」「大豆よりいいじゃん!」みんなの笑顔を見て、その時の私はちょっと得意気だったと思う。

甘い落花生をほおばりながら、自分もここでやっていけると感じた、節分の日。



雪上の落花生 内丸節子(青森県在住)

雪の上に散らばった豆。子どもの頃見た情景が、なつかしく鮮やかに浮かんでくる。
 
節分の夜、いつもは仕事で家にいない無口な父が、この時ばかりは「鬼は外~」と大きな声で家中に落花生をまく。私たち四人兄弟はこのにぎやかさがうれしくて、争うように豆を拾った。家族が皆こたつに入り、殻を割りながら食べた豆は格別おいしかった。  

豆まきの後は各自が近くの四つ辻まで行き、 歳の数の豆を背中越しに放り投げてくる。「絶対後ろを振り返ってはいけない」と言われ、暗い夜道を一人で行くのはとてもこわく、 足早に家に戻った。翌朝四つ辻に行ってみると、真っ白な雪の上に豆がたくさん散らばっていた。厄払いをして平穏な春を迎えようという雪国の願いが、あの豆一粒一粒にこめられていたとわかったのは大人になってからだ。  

家族と豆を囲んでいた思い出は、今も私をしあわせな気持ちにする。  
二月になると落花生を無性に食べたくなる。